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(旧)短編☆中編小説集

第11章 運命の愛

・北山side

“女の子みたい”幼い頃、よくそう言われた。

嬉しくない嬉しいわけないじゃん男だし。

が、だからってわけじゃないけど。

いつも真っ黒になって遊んでいたっけ。

しかし何故だか同性にモテる。



「好きだ」

「やめて下さい」

「なぁ俺と付き合わない」

「なに言ってるんす男同士じゃないっすか!?」

「別におかしくないだろ」



ギュッ!



「やっ、やめろぉードン」

「うっわあぁー」



キッキィーッ!

あれは中学のとき同じサッカー部の先輩に告られ。

思わず突き飛ばしたら事故っちまって。

何も知らない親は、相手の両親にひたすら謝りまくり

俺は半端ないほど怒られ、でも言えるわけない。

男に告られ抱きしめられたからなんてよ。

あげく高校生になると。

ガタンゴトン―
     ガタンゴトン―

まただ、なんでこう毎日。



「可愛いねぇ感じちゃってるの?ニッ」



なわけねぇだろ。

男にケツ触られて喜ぶバカいないわ。

まるでお決まりの如く。

通学時の満員電車で、痴漢に遭うようになり。

それも同じ奴に。

―が、そう簡単にやられてたまるかってんだ。

俺にも男のプライドっつうもんがあるんだからよ。

それからは絶対に。

ソコだけは触らせまいと、必死に攻防戦を張る日々が続いていたんだ。

しかし、そいつシツコくてさ。

車両を変えても電車に乗る時刻を変えてみても。

ヒルみたいに、追っかけて来て。

そんなある日のこと。

ガタンゴトン―



「お待たせ、今日も頑張っちゃおうかな ニッ」



いつものアイツの声が耳元で聞こえたかと思ったら。

周囲の雰囲気が、なんだか普段と違うことに気づく。

ガタンゴトン―

上手く言えないんだけど、自分の周りに。

まるで人の壁が出来ているみたいな?

そして嫌な予感がしたとき



「どうやら気がついたみたいだね フフッ」



なに!



「君が、あんまりにも言う事を聞いてくれないものだからネットで助っ人を頼んだのさ」



じょ、冗談じゃね。



「今まで、散々ジラされたぶん今日は最後までさせて貰うつもりだから覚悟しとけよ」



嫌だ、ふざけんなっつうの

んだが次から次へと伸びて来る手に俺は瞬く間に押さえつけられてしまい。





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