テキストサイズ

枕営業~遥香はセックスを武器にした~

第26章 本條斗真の事情⑤

「後はお二人にお任せします。申し訳ない」

尾崎と水谷文乃に頭を下げた。

「藤咲遥香の件はどうなさるおつもりですか?」
「迎えにいくつもりだが……尾崎……」

尾崎は穏やかな表情を浮かべていた。

「知ってたのか?俺と遥香のこと……」
「いいえ。非常階段で密会していたことなんて
自分は存じ上げませんが」

これには俺も笑った。

「社長のここまでの笑顔を拝見するのは
初めてのことです」

俺はこの数年間
笑うことすら忘れかけていた。

取り戻そう。

笑うこと。

そして遥香を。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ