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愛したカノジョは指名手配

第10章 佐伯翔太①

女は「私も頂こうかしら」と
俺の前に置かれた瓶ビールを手に取ると
俺よりも小さいグラスに注いだ。

「本名はアヤカ。ここの客は私の本名も
知らないしアヤで通ってるわ」
「俺に本名教えちゃっていいんですか?」

アヤカがビールを飲み干すとグラスには
真っ赤な口紅が付着した。

「言ったでしょ?お兄さんタイプだって。
良かったらお兄さんの名前も教えて」
「俺は……翔……」

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