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愛したカノジョは指名手配

第14章 佐伯翔太②

「翔ちゃん、いらっしゃい。来てくれたんだ」

妹の珠理奈の四十九日の帰りに
『スナック彩』に立ち寄った。

「鍵を預かったままだったから」

『スナック彩』の鍵をアヤカに手渡すと
喪服の上着を脱ぎワイシャツの袖を目繰り上げた。

「御葬式か何かあったの?」
「親戚のね。それよりもドアの音
気にならないか?」

アヤカに素性を明かしていない俺は
妹の四十九日のことを伏せた。

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