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受付嬢はロビーの傍らにある応接セットに
視線を送った。

「あちらに座られている長谷川様です」

長谷川という警察の人間がソファーから
立ち上がると俺に向かって深々と御辞儀をした。

俺が近付いていくにつれ長谷川という男の正体が
明確になっていく。

この出で立ちと雰囲気……

一度しか目にしたことはないが
あの鋭い眼光は印象的で脳裏に焼き付いていた。

アヤカの部屋で遭遇した男。

橘龍平。