テキストサイズ

ちよこれいと

第1章 ちよこれいと

ふんわり心が暖かくなる。
舞い上がりそうなくらい嬉しいのに、私の答えは

「考えておきます」

先輩が少し目を見開いた。

「あ、戻った」

戻った?
今小さく『残念』って?

「前向きな方向でお願いします」

私の無言の問い掛けに、目じりを下げた先輩が笑う。そして顔を近付けてきたと思ったら、額にチュッ。
たったそれだけのことなのに、私は頬が熱くなる。

「織歌かーわいーい」

そんな私に先輩が満面の笑みで抱きついた。

「いつかメロメロにさせてみせるから」

耳元で囁かれた柔らかい声に、身体がとろけてしまいそう。
もうかなり、メロメロです。
でも教えてなんかあげません。
これ以上は私、耐えられませんから……

とりあえず、心臓ドキドキ辛いんで離れてもらえませんか。

ねぇ、先輩。







ストーリーメニュー

TOPTOPへ