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ちよこれいと

第2章 おまけ

久富の幼なじみ、一つ年下の芹澤織歌 せりざわおるか。

俺は彼女の笑った顔を見たことがない。

……違うな。

笑顔は見てる。目の前で久富と楽しそうに話してるから。
でも俺が話し掛けると途端に不機嫌な顔になる。ザ・優等生な彼女の事だから、思い当たる事があり過ぎてどれが理由だか分かんない。
初めはムッとしたけど、あからさまな変わり様が面白くて、久富の所に来る度からかって遊んでた。
当然、益々不機嫌になったけど。
俺に怒って去って行っても、必ずまた久富に会いに来る。それは多分、そういう事なんだろう。

でも、久富が見てるのは彼女じゃない。いつも織歌と一緒にいる色の白い女の子。織歌の腕に腕を絡め、はにかむように笑う線の細い子。
その子が久富を見てるのも明らかで。

何やってんの?

気付いてしまったら何故か無性に腹が立った。ほっとけば良いのに、織歌の視線を久富から奪いたくなって。
話し掛ければ話し掛けるだけ織歌の態度は硬くなる、悪循環。
その上、なるべく久富の居ない所では話し掛けないようにしてたのに、織歌が俺を振り回してると言う噂が立つ始末。
女の子達の発想は時に驚くほど飛躍するモノだけど。振り回されるも何も、俺、どうみても嫌われてんよ?

どうしてそうなる。


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