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「サキさんに愛情がある訳じゃないなら、あたしの事だって抱けますよね？」



真っ赤な顔をしたナナミが、ユーキを見つめる


ユーキは深く息をついた




「そこまで知ってて・・・・・こんな男の、どこがいいの？」



「確かに初めはショックでした。彼女じゃない人と、そういう事・・・しちゃうんだって

でも――――

あたし、気づいてたよ？ユーキ先輩が、あたしの事を避けていたこと」



「・・・・・・」



「先輩はいつだって優しかったけど、子供扱いばかりで、いつもはぐらかしてた

あたしが、先輩の事好きだって気づいてたからでしょ？」



ナナミは、タバコに火をつけたユーキの姿を、ぼんやり見つめながら苦笑した



「どうせなら、気があるのをいい事に、もてあそんじゃえ！とか思うような人だったら・・・・・

こんなに、好きにならなかったのにな」




「だからって・・抱いてもどうにもならないよ」