テキストサイズ

【イケメン戦国】とらぶる・とらべる(信長・政宗・幸村)

第1章 1話~序章~

「とにかく、明日になったら服を買ってきます。それから、刀はここに隠して下さい。」


「……なぜ刀を隠さねばならんのだ?」


「刀がなくちゃ楽しくないだろ?」


「あのですね、刀は銃刀法違反と言って………」



ピンポーン



「わ!わ!わ!あ、あのっ!信長様、ここに隠れて下さいっ!政宗は……こっちっ!!!」


信長様をベッドの中に、政宗をベッドの下に押し込んで、慌てて玄関へ駆け寄る。


「は、はいー?」

上ずった声で何とか返事をすると………。



「涼莉さん、いきなり来てごめん。」

「さ、佐助くん?!」


その声を聞いてホッとしながら玄関を開けると、佐助くんともう1人……

現代の服に身を包んだ幸村が立っていたーーー。


▶▶▶


信長様、政宗、幸村、そして現代人の佐助くんと私の5人でテーブルを囲んでいた。


「つまりは、今回のタイムスリップで、俺と幸村だけじゃなく、信長様と政宗さんもタイムスリップしてしまった…ということか。」



「佐助、俺の刀を返せっ!今ここで、信長の首とってやるっ!!!」

「おう、いい度胸じゃねえか、真田幸村。返り討ちにして、お前の首、信玄に叩きつけてやる!」


政宗と幸村の間に火花が散り、一発触発の空気が流れる。



「幸村、気持ちは分かるけど落ち着いて。政宗さんも。今までいた時代とは違って、この時代では刀を振るうことも所持することも許されていない。だから幸村、一時休戦で頼む。」


「仕方ねー……全く面倒な時代だな。それに何だよ、こんな変な着物着せやがって!」



茶色のTシャツに、赤のチェックのシャツを羽織った幸村。

可愛らしい格好に、つい噴き出しそうになるのをこらえる。

今は緊急事態。笑っている場合じゃない。



「涼莉さん、今ならまだユニクロが開いているはずだ。信長様たちの服を調達してくるから待ってて。」

「ありがとう、佐助くん。」

「それから、女性の君には悪いけど、今日からここが本陣だ。ここに全員で寝泊まりさせてもらう。いい?」

「い、いや、ここ狭いし…佐助くんのところはダメなの?」


佐助くんは、私の耳元で

「ごめん。俺の部屋には、戦国武将たちの伝記がたくさんあるんだ。見られたらまずい。」


そう言い残して、服を買いに出かけたーーー。

▶▶▶
2話へ続く

ストーリーメニュー

TOPTOPへ