【イケメン戦国】とらぶる・とらべる(信長・政宗・幸村)
第5章 5話~最終章~
「そうじゃない、幸村!もっと早くボタンを……」
「お、おー……」
「……だそうだ、政宗。」
「刀よりも難しいな、これは。」
ゲーム対決が始まって、どのくらいの時間が過ぎただろうか………?
30勝30敗。
どちらとも決着がつかない。
「よし!もう一度だっ!真田幸村!!!」
「望むところだっ!次こそ技を駆使してやる!!!」
またしても、白熱した戦いが始まる。
佐助くんのアドバイスを受けながら、難しい技を繰り広げる幸村。
そして、佐助くんから簡単なレクチャーを受けたものの、見よう見まねで難しい技をだしてみる政宗。
「その調子だ、幸村。」
「政宗、『もっと早く』だ。」
男2対2の上杉武田軍と織田軍。
すっかり周りは見えていないらしい。
長時間繰り広げられている熱い大人の戦いに、子ども達が群がって、息を飲んで見ていることすら………。
「押されているぞ、政宗。」
「そこだ、幸村!!!」
結果は、幸村の勝利だった。
「ちっ!やられたか……次は俺が勝つ!!!」
「待て、政宗。俺がやる。変われ。」
「ようやく出てきやがったな、信長!!!」
「相手は貴様ではない。佐助、相手をしろ。」
幸村が1勝リードしたまま、政宗が信長様とチェンジする。
「あの、どうして俺が?」
さすがに困惑顔の佐助くんに、信長様が言い放った。
「敵の真の将は真田ではない。真田に策を出している貴様だ。」
「将が追いつめられれば敵兵は乱れるからな。この戦、勝つためには佐助の首を取るのが早いってことだ。」
「容赦はせん。『こんとろーらー』を取れ、佐助。」
「佐助、何が何でも信長の首を取れ!!!」
この2人からは、まるで炎がメラメラと出ているようだ。
そして、佐助くんはなぜだか目を潤ませている。