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マーメイドな時間

第20章 香奈夫くん、ついに……

 合格した。



 どんな裏工作があったのか知らないけど、合格した。


 マークシート、超適当。


 先生のお姉さんがいてくれたから、緊張もしなかった。問題はまるっきりわからなかったが、ほぼ運だけで勝ち取った。


 てか、3教科目あたりから、問題読まずにマークシートだけに適当にチェックしただけ。


 あ、今は家にいるよ。


 今日は、茂晴美先生が来る。


 なにか期待出来そうだ。


 母は仕事でいないし、今日は先生と二人きりだ。


 どんなご褒美が待ってるかなぁ〜。



『ペタン……ペタン……ペタン……』


 来たっ!!


 自然と体が扉に向かう。


「先生、いらっしゃーい」と笑顔で扉を開けた。




 あれ?


 茂晴美先生じゃない。


 いるのは、センター試験で会った、茂晴美子先生だ。


「こんにちは、今日は私が来ました」


「……え!?」


 どういうこと?


 茂晴美先生じゃないの?



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