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マーメイドな時間

第20章 香奈夫くん、ついに……

 いいところで、先生は口を離した。


 だけど……止まらなかった。


 勢いよく、先生の顔に浴びせてしまった。


「うわぁ……あ、あ、ごめんなさい」


 僕はあわててティッシュを掴む。


 けど先生は笑って「いいのよ。我慢出来なかったのね。たっぷり出たね……ありがとう」と言った。


 なぜ、お礼を言うの?


 でも……嬉しい。


 嬉しいけど……



 肝心なあの部分が魚なのよ。


 指でひろげられても、全然興奮しない。


「先生……やっぱり……ここは人間のようにはなりませんね」


 言ってしまった。


 もし、人間の足を手に入れると、先生は声を失うかもしれない。


 たしか、物語では、そんなストーリーだった。


「やっぱり、人間がいい?」


 そう聞かれたら、いいにきまっている。人間の生身のアソコが見たい。


「足を持ってる人魚いるよ。よかったら紹介しようか?」


「えっ……」


 下半身も人間……それって、人間だよね。


 少々、ブスでもいい。


「はい、お願いします」


「じゃ、今度、連れてきてあげるね」




 今度に続く。


 次回、香奈夫くん、最終回。

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