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マーメイドな時間

第25章 野田目幹太と寿司屋の親方

 俺はいったい、どうすればいい? ただ、このまま寿司を食ってればいいのか?


 しかも、ビールは親方が半分飲んでるじゃねえか。


「ちょっと……人魚さんに聞きたい。あなたも、この親方の子供でいいの?」


 人魚は俺の方を見た。


「私は茂晴美子。私は人間を殺さない。それに、大切にしたい人間もいるの。天龍源は確かに人間を嫌っていた。だから、友好関係なんて綺麗事言ってたけど、あいつはリーダーとして人間を支配しようとしてた」


 展開がおかしなことになっている。親方はボケることもしなくなった。


「騙されないぞ!! そう言って油断させているんだろ」


 親方、やめろ……。


 リーダーは、あなたの手で死んでいるんだ。その、茂晴……なんとかが嘘を言っているようには見えない。


 親方は僕の方を向いた。


「お客さん、AB型の人間が頑張らなきゃいけない。このテレビ見てみな」


 親方はカウンターにあった、小さなテレビをつけた。


 画面には、この前の選挙で当選した海原真魚という人魚議員が登場していた。


『この国会は、私達が支配した。そして、私、海原が、新総理となり新しい理想の日本に変えていくことを誓います』


「なんてことを!!」


 先に声を上げたのは、人魚の茂晴美子?だった。


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