テキストサイズ

マーメイドな時間

第3章 タレント養成所に……

 俺は、ディーラー枩夲(まつもと)。この道30年のベテラン芸人だ。



 今日はお笑い芸人の養成所に、講師として教壇に上がる。


 俺としては、自分より面白い芸人が出てきては困る。だが、俺の後継者も必要となってくる。


 ここに集まっているのは、まだ、生まれたての卵ばかりだが、トップに立ってスターに登りつめるものは、一人いればいい方だろう。


 だが、それだけじゃもったいない。


 ここに通っている生徒全員を、スターにしてやりたい。


 俺のライバルとして、迎え入れてやりたい。


 さぁ、この教室の向こう側には、どんな面白いやつらが揃っているんだ?


 俺は、教室の扉を開けた。


「おはようございまーーす」


 元気すぎる活気のある声が、教室全体に響く。


 自分が一番目立ってやろうという意気込みは、感じられる。


 ここではみんな、床に座って話を聞いている。さて、どんな話をしてやろうか。


 こうして見渡すと、容姿も様々だ。


 大人しそうで地味なやつ。つい最近まで年少入りしてたんじゃないかと思うほどの悪っぽいやつ。目立とうと、法被を着たり、コスプレしたりするやつ。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ