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マーメイドな時間

第4章 家庭教師「山本茂晴美」

「まず、この問題をはじめてみて。これ、習ってるはずだよ。私、次の問題を確かめるから、わからないことがあったら、呼んでね」


 ここが学校なら、わからないことはない。だが、茂晴美先生の前だと、なにもわからなくなる。


 チラリと横を見る。またもや、上半身裸だ。


 今日も乳にヒトデがのっているが、よく見れば、ただのヒトデではな。


 足がいっぱいあって、とげとげしいオニヒトデではないか?


 たしか、珊瑚を食い荒らすやつだろ。


 それを乳につけるだなんて……次あたりダイオウグソクムシとか着けてきそうだ。


 ダメだ……勉強に集中できない。


「なに見てるの?」


「えっ!?」


 胸を見ているのが、バレた!?


「どこ見てたのかなぁ……見るところは、ここでしょ」と先生は問題集を指差した。


「あ、はい。すいません」


 ここは、謝るしかない。


 でも、おかげで問題に集中できる……。


 ……


 なにか視線を感じる。


 チラッと横を見る……。




 ガッチリ、目が合った。なにか、言わなきゃならないのか?


「なにか?」


「興味ある?」


「へっ!?」



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