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マーメイドな時間

第7章 グループホームに……

 私は春野小幸(はるのこゆき)と申します。85歳、もう、立派なお婆ちゃんです。


 私が入ってお世話になってる、グループホーム「しじみ」には、素晴らしくて人のいい、介護士の方がたくさんいてくれてます。


 私はここにいる、みなさんが、大好きなんですよ。


「小幸さぁーん、おトイレは大丈夫かなぁ?」


 玄武昭美(げんぶてるみ)さん、いつも、私のお世話をしてくれてます。


「はい、今は大丈夫ですよ。まだオムツには、若干、余裕がありますからねぇ」


「じゃ、小幸さん。トイレいこうか」


 昭美さん、私のお尻の匂いに気がついたのかしら?


 バレずに漏らすのは無理みたいですねぇ。


 それと、私のお友達が一人います。


 天海(あまみ)お婆ちゃん、もう100歳を過ぎてらっしゃるの。


 ただ、この方は、寒さにお強いのか……いつも上半身裸なのです。


 髪は、長く、キレイな輝く真っ白。胸にはサザエかしら? 貝がついてるの。


 あの中に巻き込むように、おさめてはるのかしらねぇ?


「天海さん、調子はどうよ?」


 1日の最初の一声は、ここから入るの。



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