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マーメイドな時間

第8章 暴力団に……

 坊っちゃん刈りで、目は小さくて垂れている。


 眉毛は生え方が悪いのか、常に八の字。


 口も小さくおちょぼい。


 だが、ちょっと鼻がデカイ。


 あの顔で「おう、わしや」て言われても、ギャップが激しすぎる。


 えなりに波田陽区が柔らかく入ってるもんだから、刀持っても様にならない。それこそ「残念!!」だ。


 こんな組長だが、これから、組員に挨拶をはじめる。


 心して聞かないとな。


「みんな、今日は忙しい中、こんなにも集まってもうて、心から礼を言わせてもらう」


 声が高い。


 この人は、自分をどうやって作り上げているんだ?


 極道やってることを忘れてはいないだろうなぁ?


 昨年、年に一回、温泉地に慰安旅行がしたいと言い出して、参加する組員の刺青を大金かけて消していたからな。


 おっと、いよいよ二人目の奥さんのおでましやな。


 どんな人なんやろなぁ。


 組長は若い女が好きやさかいなぁ、20代の女が嫁いでくるんやろかなぁ。


 まあ、人としての筋は通すさかい、極道であっても、相手さんは相当な決心をしなはったんやと思うわ。


 どえらいキレイな人なんやろなぁ。



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