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マーメイドな時間

第11章 桃太郎に……

 桃太郎は残りのきびだんごを、全部あげました。


「大サービスだよ!!」


「えっ! 嬉しい♪ ありがとう」











 去っていった。




 ただ食い!?


 待てよ……戦力……大事な戦力。


「おい、こら桃太郎!!」


「はいっ」


「てめえも漕げよ、なにやってんだ」


 ヤンキーに怒鳴られた。


 偉そうに言いやがって……その代わり、あんたも鬼をシバいてくれよ。



 漕ぎ続けること1時間。


 ようやく鬼ヶ島に着いた。


 島に下りる。


 鬼はいない。


「おかしい、鬼がいない」


 正面に一人のお婆さんがいた。


 聞いてみよう。


「あの、すいません。ここ、鬼ヶ島ですよね?」


「……」


 お婆さんは無言で鶏を捌いていた。


「お婆さん……」


「ここね、鬼はいないの。久美子さんしかいないの」


 島を間違えたようだ。


 なにかが、ごちゃ混ぜになっている。


 今度は正真正銘の鬼ヶ島だ。


 看板が立っている。


 鬼はいた。


 赤いやつ、青いやつ、黄色いやつ、みんな……人間の肉をむさぼり食っていた。



 ここだけガチやんかっ!!


 それもでかい。


 かなり進撃が入っている。




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