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マーメイドな時間

第12章 やっぱり山本茂晴美

 あの話の続きだ。


 僕はやはり、先生を見てしまう。


 生の裸体なんて、彼女のいない僕が見れることなんて、まずない。


 母親の裸なんて見たくもない。


 僕は勉強に集中出来ないまま、ただ、なんとなく問題を解いていた。


「あ、違った」


 消しゴムで消そうと手に取った時、うっかり消しゴムを落としてしまった。


「あ、いけね!!」


 僕が下に落ちた消しゴムを拾おうとしたとき……。


「あん……」


 いま、なにかダイレクトに触れた。


 いや、手首で触ってしまった。


 触れた瞬間、先生は声を出した。


 僕は恐る恐る、先生を見た。


 視野に入る程度ではなく、ガッチリ目が合った。


 しかも、先生は顔を淡い紅色に染め、恥ずかしそうな目で僕を見ている。


 そして、腕は……自分の右胸を押さえている。


 ドックン……ドックン……ドックン、ドックン、ドックンドックンドックドックドックドックドクドクドクドク


 鼓動が早くなった。


 ヤバい……。




 ミートスティックが熱く、脈打っている。



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