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マーメイドな時間

第2章 受け付けに……

 俺は、一流会社に勤めるエリートサラリーマン「野田目幹太(のだめかんた)」45歳。会社では部長を務めている。


 今、私は、とある別の会社の前にいる。


 今日はわが社の製品と企画を売り込みに、超一流と呼ばれる、この会社にきた。


 自慢ではないが、自分のプレゼンには自信がある。


 これだけには、誰にも任せられない。だから、来るときは自分一人だ。


 誠心誠意とやる気、無駄なことは言わない。だから、いまだに無敗だ。


 だが、今回は今までとは違う。レベルが高い。


 会社の前に来ただけで、身震いがする。


 でかい。


 超一流という大きな看板に、自分が飲み込まれている。


 威圧感が半端じゃない。


 その存在だけで、押し潰されそうだ。


 だが、負けない。中にいるのは、同じ人間だ。仕事は超一流かもしれないが、同じ国の同じ種の人間。


 臆することはない。


 絶対に成功させる。


 私は珍しく緊張している。


 手に汗が、にじんでいる。


 どうした……怖いのか?


 今までは、同じレベルの会社ばかりだった。


 今日は、私の本当の力が試される時。



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