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マーメイドな時間

第2章 受け付けに……

 私の足が動いた。


 前に進んでいる。心とは裏腹に、体はやる気だった。


 いいだろう。とりあえず正面にいる受け付けに話を……えっ?


「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか?」


 な……なにっ!?



 私は、目が点になった。


 なぜ……。


 なぜ、この金髪の受け付け嬢は、上半身が裸なのだ?


 しかも……胸にフジツボがついている。


 いや、大事な部分は隠されているが、ボリュームのある弾力性がありそうな、乳房は放り出されたままだ。


「あの……こ、こ、そち、こちら……」 


 いかん、目のやり場に困るうえに、動揺して上手く話せない。


 この状況に、私はどう対応すればいい?


 隣には普通に、制服に身を包む、受け付け嬢がいる。


 だが、目の前の彼女は私に用件を聞いている。


 このまま、隣の女性にうかがうと、この裸の女性に失礼ではないか。


 私に接客をしてくれているのだ。


 それなりに対応しなければ……。


「いや、用件はですね……こちらの……」


 やめろっ!! 両手を前で重ねないでくれ。胸が両腕でムギュっと挟まれて、だっちゅーの状態ではないかっ!!



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