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マーメイドな時間

第14章 魚屋に……

「へーい、いらっっっさいっ!!」


 ちょっと間が空いたわよ。


 まだ慣れてないのね。


 ふん、胸に貝殻って、そんなのは殿方を誘う時にちかいなさいって。


「美しいお母さん、今日の献立、金目鯛いかが? 煮付けにいいよ」


 ふん、う、美しいお母さんだって……ハハ……ば、バカにしてるでしょ。う、嬉しく……ないわよ! うん、動揺なんかしてないわよ、だって私はお母ちゃん!!


「金目鯛の煮付けねぇ〜もっと変わったものないかしらねぇ」


 金目鯛、確かに美味しい。でも、私、この大きな目がなんとなく嫌なのよねぇ。


「じゃ、美しいお姉さんが言うなら、これなんてどう?」


 う、う、う、う、美しい、お、お、お姉さん!! 何言ってるのよぉぉ……この子、見る目あるわね。いや、魚の目利き出来たくらいで人間の目利きなんて、お世辞よお世辞、だって私はお母ちゃん!!


「北アメリカ産の淡水魚、アリゲーターガー」



 いぃやぁぁーーーっ!!


 口長い、牙、むちゃくちゃあるしぃーーっ!!


 具体的な調理法がわからないじゃないっ!!


 てか、それなにっ!?



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