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マーメイドな時間

第15章 自動車教習所に……

「はい、じゃあ、次はそこの角を右折しましょう」


 ウィンカーを右に鳴らす。


『カッチン、カッチン、カッペタッチン、カッチペタッン』


 なんか、ウィンカーの音に混じって、なにか鳴ってない?


「はい、山村さん。一旦、そこに止めましょうか」


「はい」


 私は車を、広い場所に止めた。


『ペタッ……ペタッ……』


 この音、どこから聞こえるの?


「はい、そこでいいわよ。ブレーキかけて」


「はい」


『ブゥウォン!!』


 しまった!! 間違えてアクセル踏んだ!!



「止まった」


「山村さん、いま、アクセル間違えて踏んだでしょっ!!」


「は……す、すいません」


「顔見てたら、まだ恐々運転してるから、緊張してるんでしょ」


「はい……」


 私ったら……こんなところで、大失敗。


 教官が補助ブレーキしてくれなかったら……。







 なにあれ?




 私は教官の足元に見えるそれに、目を奪われて、教官の話をまともに聞けてなかった。


 ヒレだよね?



 黒くて長いスカートはいてるけど……ヒレだよね?



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