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マーメイドな時間

第15章 自動車教習所に……

 初めて乗る車の運転席。胸がドキドキ。でもワクワク。音がペタペタ。






 えっ!? ペタペタ?



『ペタッ……ペタッ……ペタッ……』


 なんの音?


 この音、シチュエーション的には和風旅館に一人で泊まってて、外から何かが近付いてくるような音よね?


 なぜ、白昼どうどう、教習所でそんな音を聞かなきゃいけないわけ?


「……さん」


 ……


「……むらさん、山村さん」


「えっ!? は、はいっ!!」


 いけない、よけいなことに気をとられて、教官の声が聞こえてなかった。


「はやく、サイドブレーキを戻して、私の指示に従って走ってください」


「あ……はい!」


 今は教習の最中。頑張らなきゃ。


「山村さん、制限速度まもりましょうね」


「えっ!?」


 やだ、20キロの所を、40で走ってた!!


「はぁっ……す、すいません」


 どうかしてる。集中集中。


 最初は注意を受けたものの、後は順調に運転をこなした。


 でも、危なかった。教官が補助ブレーキをかけてくれなかったら、教習所内で事故してたわ。




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