
マーメイドな時間
第16章 記者会見で……
数日前、世間を賑わすユニークな記事が話題となった。
なんと今まで想像もしなかった、男の人魚が捕獲された。
イカ釣り漁船で、釣り上がったイカを掴んで離さなかったという。
だが、男の人魚は世の人間達に、物申したいと、マスコミに記者会見を開くように申し出た。
今回は、この記者会見の模様をお伝えしよう。
男の名前は天龍源一郎(あまたつみなもとのいちろう)
鍛え上げられたような、強靭な上半身。腰から下は褐色の魚。
口をへの字に結び、天然パーマの頭は、いましがたシャワーを浴びたかのように濡れている。
台の上には数本のマイクに、消臭剤が5つほど並んでいた。
進行役の男性が、スタンドマイクの前に立った。
「え、それでは、ただいまより、世にも珍しい男性人魚のてんりゅ……」
「違うっ!!」
「はいっ!?」
「あまたつみなもとの、いちろう。天龍源一郎だ」
「失礼いたしました。天龍源一郎様による記者会見を行います。まず、各報道記者の皆様、お集まりいただいて、ありがとうございます。それでは初めに、天龍源様より、ご挨拶がございます。お願いいたします」
なんと今まで想像もしなかった、男の人魚が捕獲された。
イカ釣り漁船で、釣り上がったイカを掴んで離さなかったという。
だが、男の人魚は世の人間達に、物申したいと、マスコミに記者会見を開くように申し出た。
今回は、この記者会見の模様をお伝えしよう。
男の名前は天龍源一郎(あまたつみなもとのいちろう)
鍛え上げられたような、強靭な上半身。腰から下は褐色の魚。
口をへの字に結び、天然パーマの頭は、いましがたシャワーを浴びたかのように濡れている。
台の上には数本のマイクに、消臭剤が5つほど並んでいた。
進行役の男性が、スタンドマイクの前に立った。
「え、それでは、ただいまより、世にも珍しい男性人魚のてんりゅ……」
「違うっ!!」
「はいっ!?」
「あまたつみなもとの、いちろう。天龍源一郎だ」
「失礼いたしました。天龍源一郎様による記者会見を行います。まず、各報道記者の皆様、お集まりいただいて、ありがとうございます。それでは初めに、天龍源様より、ご挨拶がございます。お願いいたします」
