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　司会の男性は一歩下がる。


　一斉にカメラのフラッシュがたかれ、テレビ画面には「フラッシュにご注意下さい」の文字が流れる。


「ええ、私が……皆様が呼ばれる人魚であります。天龍源一郎と申します。我々は普段、海底に住んでおりまして、よく表に出ているのは○ΠＰＡＹのωでして……」


　すると、一人の記者が手をあげた。


「すいません、今、なんとおっしゃいました？」


「どこでしょうか？」


「よく、表に出ているのは……の後が聞き取れなくて……よろしければもう一度お願いします」


「○ΠＰＡＹのωですが」

「日本語ではないですね。意味は……」


「○ΠＰＡＹは、あなた方の言う“人魚”だと思っていただければいいかと……ωはメスでいいのかと」


「そちらの言葉なんですね。では、男性、オスはいうんですか？」


「βといいます。つまり、よく目撃されて、こちらの世界でキャラクター化されているのはωの方です。それに、今はωの○ΠＰＡＹが、陸に上がりいろいろな職についていると聞きます。中には勘違いして食にされたという例もききますが、それはそれで、問題はありません」


　ないようだ。