けだもの系王子
第7章 聖矢、腹黒系?
お互いの喘ぎ声。
あんなに嫌がっていたのに。
信じられないような快感に我を忘れている。
あたしに触れる聖矢の手が意外に優しくて。
何故だか大切にされてるような錯覚を起こす。
この行為に意味なんかない。
ただ快感を求めて肌を重ねるだけ。
スポーツのようにお互い汗を流しながら激しく腰を揺らす。
流されるように抱かれてしまった。
何度も何度も絶頂を迎えて。
あたしが意識を手離すまで許して貰えなかった。
この夜の出来事はただの過ちで。
あたしには婚約者がいるし。
あと何年後には将来が約束されている。
それまで自由に遊んでいい。
今だけに許されている。
だから、これも、遊びなの……。
その日から。
あたし達の関係が始まった。