けだもの系王子
第8章 涼、蓮、意地悪系?
「由宇ちゃん、今日俺の家に来ないか?」
あたしの家の前で。
いつものように一緒に帰って送ってもらったのに。
涼先輩があたしを抱きしめて甘く囁いた。
緊張して頷く。
涼先輩は同じ大学の先輩で。
アルバイトも同じ飲食店で。
一緒に良く話をするようになり、先輩のほうから告白されて。
お付き合い、するようになったんだ。
こんな素敵な人があたしの彼氏だなんて……。
今でも信じらんない。
端整な顔立ち、涼しげな目元はいつも優しくて。
甘く微笑む。
付き合い初めて1ヶ月ぐらい。
バイトが終わっていつも一緒に帰って。
家の前まで送ってくれる。
別れ際にぎゅっと抱きしめられてキスをする。
今日はいつもとちょっと違った。
いつものように抱きしめられたけど。
先輩の家に……?
確か弟と2人でアパートに住んでいるって聞いたけど……。
「今日は家に誰もいないんだ」
その言葉の意味にドキドキしながら涼先輩の甘い瞳を見つめる。
「うん、行きたい」
誘うように甘く微笑む瞳が輝いて。
いつものように優しく唇が重なった。
だけど今日は少し違った。
あたしを抱きしめる涼先輩の手に力が込もり、より深く唇が重なる。
絡まり合う舌使いはいつもよりも激しく官能的に揺らされ抱きしめられる。
「んんっ……!んあっ……!」
密着される体。
あたしの背中を抱きしめなぞられる。
唇の隙間から堪えきれずに息をつき、近い距離で見つめ合う。
「そんな声で……そんな顔されると……!」
唇がまた熱く重なりあう。
甘いキスにくらくらして。
キスしながらも先輩の手があたしの胸に触れる。
優しい感触に体温が上昇して涼先輩に体を預けてしまう。
涼先輩なら、何されてもいい。
キスだけじゃなく、もっと先の事も。
ドキドキして期待しているあたし……。
熱いキスをして絡み合う涼先輩の舌が。