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けだもの系王子

第10章 涼、束縛系?





大学の女子寮。



唯夏ちゃんが住んでいるマンション。



寮とはいえ、食事は別だし、大したルールもない、ただの一人暮らしと変わりない生活らしい。



住んでいるのが皆同じ大学生っていうだけみたいだが。



何度か家まで送った事があるから、家は知っている。



『ピンポーン』




インターホンを鳴らしても、出ない。




まさか、家の中でぶっ倒れてるんじゃないか?




「おいっ、唯夏っ」




ドアをドンドン叩いていたら、隣の家のドアが開いた。



「あっ、店長じゃんっ、うける〜」




唯夏の友達で、同じ店で働いている聖子だ。




隣に住んでいるのか。




「お前ん家こっちだったか?」




「店長あたしを送ってくれないから知らないんだ〜」



「まあ、そうだな」




「唯夏は送るのに、ひど〜い」




ああ、はいはい、あいつは特別なんだから、しょうがねぇだろ。




「唯夏いないのよ〜、あたしにも何の報告もなし、珍しいよね〜」



「具合が悪くて休むって、今日はバイトのシフトが入ってたんだが、連絡したらそう言ってたんだがな?」



「え〜〜?」



にやにやにやにや。



口を押さえてにやにやしてるけど、何なんだ?



「……あたし、見ちゃったんだよね〜」



くふっ、また、口を押さえて笑う聖子。



「……なにがだ?」



「涼先輩が〜、唯夏ちゃんをお姫様抱っこしていたの〜、昨日、街の真ん中でっ!」



きゃ〜、また、口を押さえて笑うけど、何なんだこいつは……!



涼先輩……?



涼……か?

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