けだもの系王子
第10章 涼、束縛系?
いってもいっても快感を与えられて、ずっといきっぱなしのような感覚。
気持ち良くってあたしのあそこが溶けそう。
頭の中が真っ白になる。
もう、だめ……。
痙攣のように体が震え続けて、カクンと体の力が抜けた。
フワフワした意識の中ですぅっと、目の前が暗くなる。
暗転。
そこで意識が途絶え、気を失ってしまったんだった。
涼の胸の中で幸せな夢を見る。
涼side
ベッドに沈み込む唯夏の体を、そっと抱きしめる。
こんなにも、愛しいのに。
また、やってしまった。
夢中になって唯夏との行為に没頭していたから、彼女の体が耐えられなかったようだ。
こんなつもりじゃなかった。
今度は優しくしたかった。
それなのに。
唯夏の体に触れると我を忘れて、理性が効かない。
はじめて繋がり合った時から、求めて病まない。
もっともっととお互いが、まるで体の一部のように求めてしまう。
まるで媚薬のように溺れてしまう。
こんなにも、惹かれている。
こんなにも、愛しいのに。
俺は唯夏を壊してしまうかもしれない。
どうして、俺の元に帰って来たの?
あのまま、他の男の元へ行ったほうが、幸せだったかも知れないのに。
唯夏という甘い媚薬を味わってしまったら、手離せなくなった。
一度は諦めた。
忘れようと思ったのに。
二度も味わってしまったら、もう、引き返せない。
もう、離さない……。
誰にも渡さない……。
綺麗な顔立ち、大きな瞳、可愛い唇、吸い付くように滑らかな肌。
抱きしめた瞬間、フワリとした甘い香りが媚薬のように広がる。
魔性の体が俺を狂わす。
その美しさが憎らしくも感じる。
唯夏の全てが欲しい。
ああ、やっぱり、俺はおかしい。
誰にも渡さない。
誰の目にも触れさせたくない。
自分のお城の中に唯夏を閉じ込めていたい。
やっと、見つけた。
唯一無二の存在。
今度は決して手離さない。