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けだもの系王子

第12章 朔矢、ストーカー系




いつものバーで
お酒を飲んでいた。



「麗香、お前最近どうなの?
うちでもお前の噂聞くけど、いい加減
落ち着けよ?」



バーテンダーの勇は
同じ大学で
元カレ

今ではすっかり友達だ。



「落ち着けって何よ?結婚しろっての?
どうせ大学卒業すれば、親の決めた
婚約者と結婚するんだから、
今のうちしか遊べないじゃない?」



ビールをぐいと飲んで
じとりと勇を睨む。



「そりゃあ、知ってるけどさ?
お嬢様も大変だな?
変に遊ばずに、特定の彼氏でも作れよ?」



それなりに
イケメンの勇


セックスも絶倫で
男とも女とも
平気でしてたから
色々苦労させられた。



お陰で開花した訳でもあるけど。



「特定の彼氏なんていらないわよ、面倒だもの。
それに比べて、童貞くんは可愛いわよ。
童貞捨てさせて貰うのが目的だから、
後腐れもないし、割り切ってるし、
二度と会う事もないからね?」



最初は大学の友達から
実は童貞で
恥ずかしいけど
教えて欲しいと
相談されて

次はその人の友達
そのまた友達と
ずるずると枝分かれしていった。



一部では
『筆下ろしの麗香様』
なんて
名前までついちゃってる。



教えるのは一度切り
二度と会わない条件。



お金もとらない

だってあたし
それなりに裕福な家庭で
育ったから

結婚するまでは
好きにさせて貰えるんだ。




「童貞なんか、面倒だし、すぐにイくんじゃねぇの?」



「そこは、まあ、テクでイかせないようにすんのよ?」



「なんだ、それ?
お前にそんな、器用なマネ出来たか?」



「━━昔のあたしとは違うのよ?」



ふんと笑って見せる。



━━誰のせいで
こんな風に
なったっての?



ビールをチビチビ飲みながら
いつものように
勇と他愛もない話をする。




「勇の方こそ、上手くやってんの?」




あたしを捨てて
可愛い男の子と
付き合ってる勇。



女としての
プライドも
全てズタズタにされて



無自覚に無神経に
今の彼?
の、ノロケ話を聞かされる。



「上手くはいってるけどな?
やっぱりモト友達だったせいか、
なんだか家族みたいになってきてるな?
たまには俺も女としてみたい時もあるよ?」

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