けだもの系王子
第4章 慶紀、友達系?
ますます腹が立って来た。
あたしの様子に気付いたのか、お父さんが気遣うように声をかける。
「まな、休憩しておいで?」
他にもスタッフはいるし、人数的には余裕がある。
あたしは素直に頷いた。
それからその日は徹底的にけいちゃんを無視し続けたんだった。
学校でも無視、バイトても無視。
謝って来るまで許さない。
無視してるつもりが何故だか、けいちゃんから逃げるようになってしまった。
しかもあからさまに。
自分でも戸惑う。
あれれ?
なんでこんなに逃げてんだろ?
気付けば何日間かたち、回りの人が心配するほどになってしまっていた。