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けだもの系王子

第4章 慶紀、友達系?







お父さんに英国の血がちょっと入ってるらしくて、あたしの瞳は薄茶色。





見た目が派手な顔立ち。





背が高いほうで胸が大きなほうだ。





あたしのコンプレックス。





外見で判断され、遊んでるように見られがち。





友達にもそう思われていて、面倒だから話を合わせている。





髪も茶色っぽい。





学校の先生にも目をつけられるから、悔しいから反抗的な態度をとっていた。





別にしょうがない。





誰にどう思われても関係ない。





そう思っていた。









「あら、デート?」






ふいに部屋のドアが開いてお母さんが顔をのぞいた。






あたしはドライヤーの手をぴたりと止める。






「べつにっ、デートなんかじゃっ……!」





「そのわりには露出が少ないわね?
そのワンピースもいいけど、太って見えるわよ?」





「やっぱり?」





「ふわっとした服は露出が少ないけど胸があるから、タイトなのじゃないとね?」





コンプレックスをずばりと指摘され、溜め息をついた。





「ああ、けいちゃんが迎えに来てるわよ?
今日はけいちゃんと映画でも見に行くの?」





「えっ、もう来てるのっ?」





いつもギリギリか遅刻して来るくせに……。





「神妙な顔してたけど、あんまりいしめちゃだめよ?」





「違うわよっ!」





からかうようなお母さんの視線を睨んで、慌てて着替える。




一瞬悩んで、いつも通りの服装。





デニムのミニの短パン、フードのついたパーカー。





体のラインが強調されるけど、いつものラフな服装だ。





「いってきますっ」





「土曜日だし、今日はお兄ちゃんも店に出てくれるから、ゆっくりしていいからね?」





「はぁい」





手を振りながら家を出た。








家はお菓子の家を連想させるような可愛い造り。




赤い瓦屋根がチョコレートみたいに斜めにかかって、ピンクっぽい壁の色。





表が店になっている。





わりと街中で目立つ場所にある。

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