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けだもの系王子

第6章 要、優等生系?








ああ、やっぱりこうなっちゃったの?





あたしの目から涙が零れる。





ズンッ。





後ろから挿入されて。





一気に奥まで突き上げられ、悲鳴のような喘ぎ声を洩らす。





そのままお互い獣のように腰を振り激しく突かれて、絶頂へと導かれる。





離れられないの?





そんなのは嫌なのに……。





心の中には別の人がいるのに。





体だけ目茶苦茶に感じさせられる。





好きな人はあの人で、抱きしめられたい人もあの人なのに……。





どうしてこうなっちゃったの?





……………………。






お腹が空いて目を覚ました。





聖ちゃんを追い出してそのまま寝ちゃってた。





時計を見ると、あれから三時間くらいしかたってない。




ベッドから身を起こして、お菓子の箱が目に入った。





アパートの隣の人に挨拶に行かなきゃ行けない。





あたしの家は一番奥側だから手前の家に挨拶に行こう。




お菓子の箱を持ってすぐに家を出て隣の家のインターホンを押す。





ガチャっ。





すぐに開いたドアに緊張して頭を下げる。





「あの、あたし隣に引っ越して来ました、藤谷といいますっ」




お菓子の箱を付きだして頭を下げると、





「藤谷っ?」





驚いた声に顔を上げる。





「うそっ、斉藤先輩……っ……!」





端整な顔立ち、艶やかな黒い瞳。





ぴしりとした雰囲気。





高校の風紀委員長……。





密かに憧れてて、昔告白された事もあったけど……。





実は同じ大学。





成績優秀、1匹狼な雰囲気で話づらかった。





その斉藤先輩がお隣さんっ?





「そっか、君が隣に引っ越して来たのか。
昼間から盛ってる声がするなと思ったら……」




斉藤先輩の瞳が冷たく光る。





「ええっ!」




ゾクリとしながら聞き返す。




まさか……。




「ここのアパート、割と聞こえるからね?
あんまり連れ込まないようにね?」





「そんなっ、連れ混んでなんかっ」





「ああ、玄関先とか、余計に聞こえるからね?
じゃあ、これ、ありがとう」




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