
私の心の1番綺麗なところに
第18章 汚されたもの
「………ぇ……?」
「こんなこと言っては何だけど
警察に行ったのも、
ここへ来たのも、
君の意思ではなくて
彼氏の意思ではないかな。
悪く言えば、彼氏に言われて
嫌々ここに来た。」
どうして、
どうして、わかるの。
たしか、この人は
心理学専門のゼミの教授だ。
だからなの…?
「君の話を聞いて
表情を見ていると、どうも
彼−君を傷つけた人ね、
その彼のことを恨んでいるとは
思えないんだよ。
むしろ君と彼のことなんだから
誰かに触れてほしくないんじゃないかな。」
「…ごめんなさい…」
涙が止まらなかった。
この人は、すべて、
わかっていたのだ。
