
私の心の1番綺麗なところに
第19章 悲しみのなか
怒りと悲しみで
耐えていたけれど
涙が溢れてきた。
お母さんが気づいて驚いた。
「なに、あんた。どうしたの。」
「むかつく…もういや…」
涙ながらに、お母さんに
昨日からのやり取りを話した。
今日は成人式だったのに
最後の最後にボロボロ泣いて。
せっかくの楽しい日なのに…
「せっかくの成人式なのにねぇ。
彼氏もそこはわかってあげないと。」
その時、中1の時同じクラスで
卒業してからもたまに連絡を取っていた
男友達から電話がきた。
「おーい、二次会来ないの?」
「あ、うん。明日大学あって
朝には家出なきゃだから
先に帰ったんだ。」
「そうなんか!
同窓会であんまり話せなかったから
二次会で話そうと思ってたのにな。
また会ったら話そうな!」
ああ、また、涙が…
こんな優しさがほしかったんだ…
鼻の奥がツンとした。
「…っ…うん、そのときは
いっぱい話そうね!」
「おう!じゃあな!」
ありがとう…
ありがとう…
お母さんに電話の内容を話すと、
「よかったじゃない。
そう言ってくれる友達がいて。
そんなふうに優しい言葉を
かけてくる人が、
あんたには必要だと思うよ。」
と、言われた。
同窓会の夜。
悲しみの中でも
人の優しさを見つけた夜。
