
私の心の1番綺麗なところに
第23章 傷
そういえば、いつだったか
喧嘩をして、今回ばかりは
優貴の発言に怒った私は
次の日優貴からのメールや電話に
応えなかった。
少しでも、優貴がいつも私に
していることを思い知らせたかった。
そうしたらその日の夜
部屋でごはんを食べようと
テレビを付けて準備していたら
ガチャン!と大きな音がした。
びっくりしてドアの方へ行くと
玄関に私の部屋の鍵が落ちていた。
…さっきの音はこれが落ちた音か。
私の部屋の鍵はふたつ存在する。
私と、優貴のために作った合鍵。
そしてこの状況から見て
これは優貴が持っていた合鍵。
ー…!
慌ててドアを開けると
ドアノブに袋がかかっていた。
