
私の心の1番綺麗なところに
第24章 別れ
「そんなに…辛い思い
させてたんだね。」
「俺さ、煙草まで吸うように
なっちゃったんだよ。
何しても考えちゃって。
もう、無理なんだよ…。
サークルでも今分裂が起きてて
もう、いっぱいいっぱいなんだ。」
私は、泣かなかった。
慌ててもいなかった。
優貴に対して申し訳ない気持ちは、ある。
だけど、心の底から
優貴へ謝っているかといえば
それは違った。
これはまたいつものケンカのひとつ。
ただの別れる詐欺。
結局優貴は別れることはしない。
私が説得したら、別れないだろう。
「…私のせいでそんなに苦しい想いを
させてごめんね。
でも、それ以外にも色々悩んでる
優貴を、傍で支えてあげたいと思う。
自分勝手だけど…」
「ダメなんだよ、本当に!
もう、無理なんだ…
頼むから、別れてくれ…」
そう言って、優貴は泣いた。
私は、そんな優貴を見ても
泣かなかった。
