
私の心の1番綺麗なところに
第24章 別れ
「そっか…ごめんね。
じゃあ、別れよっか。」
少しの沈黙。
優貴の意志は、私が思うよりも、堅い。
もう私から説得する言葉は出なかった。
だけど…ひとつ気になることがあった。
「ねえ、もし私が、
別れたくない、って言って
頑として別れを受け入れなかったら
どうするつもりだった…?」
諦めてこれからも付き合うのか。
それとも怒ってでも別れたか。
「浮気するか、浮気したって
嘘ついてでも、別れようと思った。」
言葉が、出なかった。
ショックからではない。
そうしてまで別れようと思った
優貴に申し訳ないと思った
からでもない。
そういうことまでして
別れようと思ったんだ、という
呆れと、驚き。
予想外の答え。
反応するにもどんな顔で
どんな声を発するべきなのか。
茫然。
きっと優貴から見たら
ショックで茫然としていると
思っているだろう。
