私の心の1番綺麗なところに
第27章 酔いのまま宵になる
川上さんの気持ちが、わからない。
下心があるからなのか。
酔った勢いなのか。
都合のいい女だなと思っているのか。
もたれたのは私からなのに、
嬉しさの影に疑問が生まれる。
1時間ほど、そうしていただろうか。
もう、0時をすぎていた。
川上さんが、
「そろそろ降りようか。
それからホテルとか泊まれるところ探そう。」
と言った。
居酒屋に、タクシー代まで
奢ってくれているのに、
ホテル代まで出してもらう
わけにはいかない。
「あ、でも私は明日てか今日
早番なのでそこまでゆっくり
できないし、ネカフェでも
いいですよ!」
「そう?たしかに駅近に
ネカフェあるからそこにしようか。
ここから歩いたらどれくらいかかるかなぁ…」
歩き始め、数段の階段を降りるとき、
暗いので足下がよく見えず、
何かに滑ってこけそうになった。
「うわっ。」
「大丈夫?」
川上さんは
私の手を握ってくれた。
お互いに、離そうとせず、
そのまま、私たちは歩いた。