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私の心の1番綺麗なところに

第29章 曇り心



割れないグラスに不完全燃焼の彼は、
食べ終えた焼き鳥の串を取って
自分の手の甲に刺し始めた。




「ちょっと、何してるの!?」

「お前に信用されるためなら
これくらいする。」

「意味わかんないよ。
痛いだけじゃん。」

「それでもいい。」








このまま串の先で手の甲を刺すと
手が貫通して、穴あいちゃうのかな…





さすがにそんな光景は見たくない。






「もう、わかった、わかったから。」






「わかってない。
どうしたら信用してくれる?
携帯割ろうか?」






彼は折りたたみのガラケーを使っていて、

それを取り出して


本当に真っ二つに割ろうとした。







「それして誰が得するの?
割ると、連絡取れなくなるよ。
それは私も困るからやめて。」




























必死で諭す私の目の前で




















パキッ



























一瞬の出来事だった。









携帯は一瞬で、




彼の手の中で2つになった。
















「え、うそ、割れた?」






思わず、笑ってしまった。





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