私の心の1番綺麗なところに
第32章 恋と呼べそうで呼べないもの
彼氏と呼べる人がいない
安定した生活。
それはたしかに
喜びも哀しみもない
平穏な日々で。
だけど、ふと、淋しくなるときがある。
それは一時的なもので
ふっと心に現れ、
すっと消えてゆく。
だから、そこまで
気にしていなかった。
安定した日々の中に
ふと訪れる淋しさ。
私は、安定した恋愛がしたかった。
平穏な恋愛がしたかった。
もう、振り回されるのも
相手の行動ひとつひとつに
気を遣い、
なぜか寂しく、虚無感を覚える
ような恋愛はしたくなかった。
そう望んでいたからこそ、
このタイミングで
連絡をくれた陽佑に
希望という名の恋を抱いてしまった。
彼と付き合って
将来結婚したら
恋愛は関係なく
安定した生活も手に入る。
将来のために…
私の心のために…
恋と呼べない恋をした
錯覚の恋だったと、
今では心から思う。