私の心の1番綺麗なところに
第7章 会うためだけに。
結局、どこにも行けずに
ただただ隆太を待っていた。
携帯見てもつまらないので
改札前の柱にもたれて、
周りの柱にある高校や大学の宣伝を
ボーッと眺めた。
改札から出てくる人。
改札へ向かう人。
待ち合わせの人のところへ向かう人。
「遅れてごめん。」と言う人。
「久しぶり!元気だった⁈」と
興奮気味に話す人。
それぞれにいろんな出会いがあって
めぐりあって
今日、この場所で待ち合わせをする。
ここに来るまで
楽しいことや、辛いこと
あっただろう。
それは私の知らないところの、
知らない人の、話。
だけど私たちは、いま、
同じ場所に立って
誰かを待ち、どこかへ向かうため
ここにいる。
ひとりひとりに、
ここにくるまでの、人生がある。