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隆太。



私ね、あのときどうして
あなたに抱きつこうと思ったのか、
あのときはわからなかった。
理由なんて、なかった。


だけど、わかったの。




私は気づかないうちに、
気づいてたんだね。




そのときはある言葉を知らない私は、
ただ心だけが、よくわからない気持ちで
いっぱいだった。


だから、あなたに抱きついた。



でもね、言葉では学んでなくても、
心は学んでたんだ。










「愛がない。」と。






愛がないから、こんなにも
寂しくて。






あなたに嘘でも

「好き。」って言ってほしかった。



だから抱きついて、
そう言ってくれるのを
期待していたんだ。






愛がないセックスをして
帰るなんて嫌だった。




なにか優しくてあたたかい思い出を
残したかった。



それだけだった…



なのにあなたは、
好き、も、それ以外でも
私を喜ばせてくれなかった。











会うためだけに、

学校終わりに急いで行ったのに。



あなたに会うためだけに

私はこの日を楽しみにしていたのに。




本当に、



会うためだけに、会っただけ、だった。