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暗闇の中の一等星

第1章 Photograph~冬星~

  空に散らばる満点の星空。あの日の記憶が蘇る。


 五年前二○○三年冬──。


 俺は天体望遠鏡とカメラを持ち田舎へ向かった。


 約、四時間程すると田舎に着く。すでに夜。早速天体望遠鏡とカメラをセットして写真を撮る。

 夢中になっているとすぐに夜が明けた。夜が明けたと同時に俺は片付けをし、都内のマンションに戻った。



 マンションの十階に少女がいて声をかけた。

「どうしたの?」

「流れ星……見たかったの。でもこんな薄汚れた場所じゃ見えるわけないよね」

 少女は寂しそうに俯き去って行こうとした。

「待って!」

 俺は大声で少女を呼ぶ。少女は振り返った。俺は続けて言う。

「来年の今日、ここで待ってて、流れ星の写真、持って帰って来るから」

 俺はそう言うと一枚の星の写真を渡した。少女はにっこり笑い去って行った。

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