暗闇の中の一等星
第1章 Photograph~冬星~
次の年、四年前二○○四年冬──。
俺は去年と同じように田舎へ行く。
ただ一つ違うのは少女に約束した流れ星の写真を撮らないといけないということ。
なのに……去年、流れた流れ星が流れることはなかった。
仕方なく俺は大量の星の写真を撮ってマンションに帰った。
マンションに帰るとやけに騒々しかった。
「何かあったんですか?」
隣のおばちゃんがいたので聞く。
「実はねぇ……」
事情を聞いた瞬間、俺は持っていた写真を落とした。おばちゃんは俺の写真を見て俺に一枚の写真を手渡した。その写真は俺のあげたもの。裏には少女の字で“ありがとう”とあった。
そう……少女は自ら命を絶った。
何故こうなったのか何故、わざわざその日を選んだか少女が亡くなって4年経った今でも分からない。そんなことを思い出すと涙が零れ落ちた。無情にも流れ星がキラリと光った。
End