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暗闇の中の一等星

第3章 母親の記憶―紗希の過去―

 朝起きると紗希の携帯には真治からの何件もの着信。電話を手に取り、かけ直す。


「もしもし」


「もしもし! 紗希、ごめんな。紗希の気持ち何も考えずに」


 真治は必死に謝る。


「こっちこそごめんね。私、真治の言う通りだよ。逃げてた」


 紗希は自分の心の奥を認めた。逃げていてばかりじゃ始まらない。


「でも覚えといて。紗希は一人じゃない。二人で支え合って生きていこう」


「そうだね。ありがとう。二人で一つ。ずっと一緒だよ」


 そうして紗希は、また未来に歩き出す。


End

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