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暗闇の中の一等星

第4章 暗闇の中の一等星―真治の過去―

 朝、紗希から真治への着信。真治は電話を手に取る。

「もしもし」

「もしもし! 紗希、ごめんな。紗希の気持ち何も考えずに」

 真治は必死に謝る。

「こっちこそごめんね。私、真治の言う通りだよ。逃げてた」

 紗希は自分の心の奥を認めた。逃げていてばかりじゃ始まらない。

「でも覚えといて。紗希は一人じゃない。二人で支え合って生きていこう」

 真治は紗希の言葉に安心した。そして、紗希に力強く言ったと同時にそれは自分への言葉にもなった。

「そうだね。ありがとう。二人で一つ。ずっと一緒だよ」

 二人はきっと何度、喧嘩をしても繋がっているだろう。同じ痛みを持ち、同じ苦しみを背負う。

 運命に導かれ出会った。けれどこれは必然なのだから。
 二人は何度立ち止まろうとも、また未来に歩き出す。



End

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