
好きになったらダメだよ
第6章 最低同士だからいいんじゃない?
「もういいよ。帰れよ。」
ガンと保の拳が壁を叩いた。
「ねえ、ひとつだけ教えて。」
「……なに?」
「どうして私と結婚したいと思っていたの?」
「……愛莉が素直で俺がの仕事に理解あって、どんなに忙しくても笑って許してくれたし。それに……やっぱり女で学校の先生って言ったら将来安泰だろ?男だって今は一人で家族全員を養っていくのは大変なんだよ。恋愛と結婚は俺は違うと思うし。」
「……ありがとう……じゃあね。」
保の言葉にどれだけ反論したかったことか。
でもそれを言うことはできなかった。
本当は私は保が思っているような人間じゃない。
笑って許したのは、嫌われるのが怖かったから。
それだけ。
私は恋愛の先に結婚があって欲しいと、ロマンチスト過ぎると言われても、そうであって欲しいと思う。
