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私と彼の関係

第2章 はじまり

「…何のことだよ」

怪訝そうな顔。

“何言ってんだコイツ”とでも付け足したそうな顔。

……他の人から見たらそんな顔に見えるだろうね。

「…深見くん凄いね」
私はクスクスと静かに笑った。

「何が」

険しい顔がまた一段と険しくなる深見くん。

「ポーカーフェイス。上手だね。」

私は笑うのをやめて、ニコリと微笑んだ。

「何言ってんだ」

「ほら、今も動揺した。」

クスクスとまた私は笑ってしまった。

あー面白い。

「さっきから何を…」

へぇ、まだ続けるんだ。
諦め悪い人だなぁ。

「他の人なら騙せたかもだけど残念。私気付いちゃうんだよね。

一瞬。
ほんの一瞬。

深見くんの目が揺れることとか、体が少しだけ強ばることとか。」

「…」

深見くんの目をじっと見つめながら言った私から逃げるように深見くんは目を逸らした。

「でも凄いよ、他の人なら絶対バレない。私もそれくらいのスキル欲しいわー。まぁでも今回は残念だったね。」

「…」

無言で目を逸らしたままの深見くん。

「まぁそんなことどうでもよくて。さっきの話だけど。私の想像で話すけど」

そう言って逸らした深海くんの視界に入るように移動した。

「私みたいな人、んー皆の前では笑顔で元気な人だけど実際は色々抱えてたっていうような人がいて、その人が深見くんは好き、もしくは信頼している人だった。

でも深見くんはその人の抱えてるものには気付かず、突然その人がいなくなった、もしくは死んじゃった。

その人を助けられなかった深見くんはずーっと心残りで、

そんな中、私と出会った。

その人を私に重ねて助けようと、支えようと必死になってる。

どう?」

「…どうって。お前が勝手に作り上げた話だろ。全然当てはまってねーよ」

冷静な目を私に向けながら話した深見くん。

「じゃあ話してよ、本当の話」

「…」

「ほら、嫌でしょ?話したくないでしょ?不快でしょ?

…さっき私同じことされたから。」

多分今凄い冷たい目を深見くんに向けてると思う。

「…」

「じゃあ、もうお互い関わらないことにしよ。ヤる以外の男の価値だっけ?いいよ、もう。教えてもらわなくて。

お互い関わらない方が平和だしね~そうしよ、うん。
今日はありがとう!付き合わせてごめんね帰るわ!」

笑顔で私は帰ろうと止まってた足を進めた。

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